中東情勢に揺れるオイル・部品の供給事情から、年々進化する診断機とセキュリティ対応、そして創業からの歩みまで——輸入車修理の"いま"を、車修理.com の代表に伺いました。BMW・メルセデスをはじめとする欧州車のメンテナンスを、どんな考えで支えているのか。現場の視点でお話しいただきます。
1. オイル・ケミカルの供給不足にどう備えていますか
昨今のオイル事情を教えてください。
中東情勢の悪化により、全国的にオイルやケミカル類が手に入りにくい状況が続いています。今年の初め頃はまだ落ち着いていましたが、三月・四月以降は入荷しにくいという声が増え、現在はかなり深刻になっている部分もあります。当社は昨年度から前もってオイルの確保に奔走してきましたので、エンジンオイル・ブレーキフルード・アドブルーなど、特殊なもの以外はある程度取り揃えて在庫しています。お客様のカーライフに支障が出ないよう、オイル交換などのメンテナンスも今まで通りお受けできる体制です。
在庫がないと、無理に走って壊れることもありそうです。
その通りです。だからこそ、必要なオイル・フルード類のルートを常に確保しています。まずはお問い合わせいただければ、状況に合わせてご案内します。
2. 車両販売とその後のメンテナンス
車両販売にも力を入れているそうですね。
はい。「安心したカーライフ・メンテナンス」をモットーに、車両販売(社販)を通じてご対応しています。お買い上げいただいたお客様には、オイルなどもある程度の数量を確保し、購入後のカーライフまで見据えた対応を考えながら、良いお車をご案内できればと思っています。旧車やこだわりの車種になると、修理・メンテナンスがセットになってきますので、そこは車修理.com の良さだと考えています。
3. 部品の調達ルートと納期
部品はどのように手配していますか。
BMW をはじめとして、供給部品についても独自のルートを確保しています。国内にないパーツは海外から取り寄せることも視野に入れており、通常なら純正で一ヶ月半かかるようなものも、海外ルートをうまく利用して一週間から二週間ほどでお手元にお届けできる場合があります。当社は千葉県にあり、成田空港から近い立地もメリットのひとつです。お待たせしすぎない対応を方針にしています。
手に入りにくくなっている車種はありますか。
欧州車の中でも、BMW・メルセデス・ベンツ・フォルクスワーゲン・アウディ・ポルシェはある程度の部品供給があります。一方で、ルノーやプジョーといったフランス車、ルノー・カングーなどは欠品やバックオーダーが増えてきています。こうした車種は、BMW 専門・ルノー専門のパーツ屋さんとのつながりやリサイクルパーツも視野に入れて対応しています。前もって計画性を持ったメンテナンスでお乗りいただくのが安心です。
4. 診断機とセキュリティ(SGW)への対応
御社は診断機の充実が強みと伺います。
新旧を問わず、純正系統の診断機を取り揃えています。近年はセキュリティゲートウェイ(SGW)が設けられ、汎用テスターでは診断に入れない、メンテナンスリセットができない、というお話をよく聞きます。当社はきちんとメーカーのアカウントを取得し、サーバーにログインしたうえで、オイルリセット・ブレーキリセット・コーディングまで対応できるようにしています。
その背景には何があるのでしょう。
もとをたどると二〇一八年頃から、欧州を中心に、正規にログインしないと作業できない仕組み(SERMI と呼ばれるもの)が広がりました。対応した診断機と登録がないと入れず、誰が作業したかも記録される——そうした流れが世界的に進んでいます。車もコンピューター化とセキュリティの時代で、難しくなってきているのは事実です。中古で購入された輸入車で、登録や修理体制が整っていない場合は、私たちのような工場でお手伝いする場面が増えていると感じます。
5. 同業・ディーラーからのご相談、そして車検
同業者やディーラーからの依頼もあるそうですね。
はい。すべての設備投資を考えると外注に振ったほうが割安、という同業者さんも多く、チェックランプが点いていて車検が通らない、といったご相談をいただきます。そうしたデメリットを当社でうまく補正して、つながりを持って対応しています。
最近の車検事情はいかがですか。
規制はだいぶ厳しくなってきています。OBD 検査を含む新たな取り組みが進み、ヘッドライトも光軸や明るさが基準不適合になった場合は、交換まで視野に入るケースもあり得ます。お急ぎで「車検を通したい」というご相談も少なくありません。
6. これまでの歩み
御社の歴史を教えてください。
江戸川自動車としては創業六十年ほど、「車修理.com」を掲げてからは二十年ほどになります。それ以前から BMW をはじめ欧州車の修理をコツコツと手がけ、ホームページを立ち上げて現在に至ります。当時は純正テスターを持つ民間工場が全国的にも少なく、ホームページからのご依頼を多くいただきました。テスターがなければ輸入車は何も見られません。人間の健康診断と同じで、心電図やオシロスコープで車の状態を見る——そうしたヘルスチェックが不可欠だと考えています。
7. ディーラーとの違い、その役割
逆に、難しい・できないこともありますか。
純正テスターでしかできない部分はあります。コンピューターを交換してコーディング・プログラミングが必要になるようなジャンルでは、車種によってディーラーでないと難しいものも当然あります。ただ、ディーラー以外でもできることは、それなりに数多くあります。
では、どう選べばよいのでしょう。
必要に応じて選んでいただければと思います。当社としては、それにどれだけ近づけるか——「ディーラーではないけれど、限りなくディーラーに近づける」ことをステータスにしています。
8. ご相談・ご来店にあたって
見積りだけでもお願いできますか。
本気で直したいというお客様には、もちろんご対応します。ただ「いくらから?」といったご質問は、実際に拝見しないと分からない場合もありますので、お車の情報は最低限お知らせいただけると助かります。なお、板金のお見積りのみのご対応は行っておりません。しっかり直すという方向でのご案内とさせていただいています。
来店の前にすることはありますか。
受け入れの段取りや、保険・各種手続きもありますので、まずはお電話かメールを一本いただき、日程を合わせてのご入庫がスムーズです。代車は工場代車からレンタカーまでご用意できます。
定休日を教えてください。
基本の定休日は日曜です。日曜・祝日は受付のみの対応で、出張などで不在の場合もあります。故障の際は、お電話を一本いただいたうえで、最寄りの保険のロードサービスをお使いになってのご入庫も可能です。お客様は土日祝に動かれることが多いので、前もってご連絡・お打ち合わせの上、上手に対応してまいります。
電話受付:月〜土 9:00〜19:00(日曜・祝日休)